当院の特長

ごが内科楡クリニックは、私が勤務医時代には叶わなかった構想の実現も含め、透析について日夜研鑽を積んだ集大成として作りあげたクリニックです。
 医師が一人の個人クリニックである以上、総合病院のようにあらゆる科、あらゆる分野に精通し対応することは不可能ですが、透析という狭い分野において、どこの透析施設にもひけをとらない質の高い透析医療を提供することは可能であり、その自信があるので、何より質の高い透析医療の提供を目的としてスタッフとともに診療にあたって行きたいと考えております。
 そのためには、たとえ多くの患者さんに評価される事がなくても、絶えず自分を律して自分の信ずる、透析を実践し継続して行かなければなりません。
 なぜなら、それは当院で透析を受けられる患者さんは最初から当院を選んで頂き当院以外の他の施設知らずに、過ごされる患者さんが大多数で、質の高い透析を受けられても、それが日常であり気付かない事がほとんどだからです。他の透析施設である程度の長期間治療を受けられ、その後、当院に移られて、その質の違いに気付き、喜んでもらうこともありますが、そのような患者さんはごく少数です。
 またやみくもにクリニックの規模の拡大を計る事も、自制しなければいけません。患者が増えれば一見うまく順調に行っているように思えますが、増えすぎれば、充分に目が行き届かなくなり、一人一人の患者さんに質の高い透析の提供もおぼつかなくなります。私は自分一人で目の行き届く限界は患者数80名あまりだと考えております。

 ところで質の高い透析とは一体なんでしょう。わたしはこう考えてます。それは
 1. 患者の体格、体力、体質に合わせて、必要な充分な透析を行う事です。その為の検査と検査結果の検証、処方を怠らない事です。
 2. 様々な透析装置の選択、配置設計に熟慮をつくし、それらの保守管理を適切な方法、期間でおこなって行く事です。
 3. 透析液の品質管理をしっかりおこなえる設備を構築し、管理維持していく事です。
 その為に

○患者に合わせた適切なダイアライザーを選択します。
ごが内科楡クリニックではダイアライザーメーカーのデータや学会の文献は参考にはしますが、鵜呑みはしません、当院で採用しているダイアライザー必ず、当院で性能検査を自ら行いダイアライザーの性能、特長を検証し把握した上で各患者に合わせて処方します。ダイアライザーの性能をさらに高める為に、あるいはしっかりした透析効率を確保した上でさらに血圧低下に配慮した血液浄化を行う為に、大量置換の血液濾過透析をおこなうこともします。

○毎月行う定期検査をしっかり行います
H4年の診療報酬改定から、外来維持透析でおこなう検査項目の多くが慢性維持透析外来医学管理料として包括することになり、検査を行っても行わなくても所定の診療報酬しか支払われなくなり、その後2年毎の改定の度に管理料の点数が下げられかつ、包括項目が増やされてきております。
 医療機関は検査をすればするほど損をするので、最近では検査項目を減らしたり、なかには透析後の検査をしないなどの施設も散見されるようです。
 これでは1回当たりの透析量など分かりようがなく、そもそも透析が足りてるのかそうでないのか検証さえ出来ていない事になります。
 当院では、このような事で経費節減を図るような事は行いません。
毎月おこなう検査プログラムは練りに練った充実したものと自負しておりますが、さらに行った検査データは小生が自ら94年から長きにわたって、改変改良を繰り返しプログラミングしてきたデータベースに取り込み、毎月KT/V 蛋白異化率、%クレアチニン産生速度、TACUrea、UNクリアスペース率、GNRI、PWI,と言ったパラメータを算出し、これらを参考に多方面から検証検討をして透析時間、血流速度、ダイアライザーの選定などの透析条件の設定、定期投薬、Dry Weigtの設定などおこなって行きます。

○ ブラッドアクセス管理に力を入れてます。
ある意味、透析治療はシャント管理に始まりシャント管理に終わると言っても過言ではありません、クリニックだから内科医だからシャントには携わらなくてよいとは思いません。充分な血流の取れないシャントでは充分量の透析を行う事が困難となります。シャント作成に携わる医師は必ず自分で穿刺すべきと言うポリシーがあり週に1回は必ず小生が穿刺を行い刺しやすさ、状態を確認します。レントゲン透視下でカテーテルを使って治療するPTA治療を積極的に行っており最近は06年29例 07年33例 08年34例 09年36例に手掛ける一方、最初からPTA治療がおこなえずあるいはPTA治療を行ったがダメで再吻合手術をした症例は06年なし 07年1例 08年3例 09年1例10年は0例と極めて少ないと思います。

○透析用水のクリーン化(清浄化)を徹底します。
透析室の各種透析液 RO水の配管の設計から配管の素材の指定、配管径の指定まで私が図面を引き指示して作りました、機械室をクリーンルーム化したり、多人数用ETRFに洗浄時自動逆洗浄システムを取り入れたり、消毒可能かつETRFを組み込んだA液B液集中配管の為のバッファータンクシステムを考案し特注でつくらせたりと、とても思い切った意欲的な設備を満を持してつくりあげました。それらを駆使してクリーンな透析液を日々継続して供給するため学会の基準に基づいて定期的に、細菌培養検出、エンドキシン測定を怠らずにおこなっていくのですが、仮に悪いデータが出た場合でも、自ら設計して知り尽くした設備なので対処して行きます。

○透析液の品質管理も徹底いたします。
透析液の管理には伝導度とNaKCl程度しかみない施設も散見されるようですが、ここでも手を抜きません、Na K Cl 計浸透圧計は 全自動で多検体測定可能な測定装置を使用しており、しっかり各透析装置ごとに測定しさらに一検体ずつの測定とはなりますが、PH,HCO3、Caもしっかり測定して透析液の品質管理に努めています。重曹濃度の高いカーボスターを採用しているのでこちらのデータはより重要となってまいります。
 なお当院では無酢酸透析液であるカーボスターをいち早く2008年10月から個人機16台集中配管で採用、2009年12月から18台の多人数用監視装置でも使うようにいたしました。

とまあ専門的なマニアックな話に成ってしまいましたが、今は亡き私の恩師の平沢由平先生から「透析と言うのは手を抜けばとことん手を抜くことができ、しっかりやれば際限なくやることがある」と言われた事を思い起こします。どうせやるならとことん手をかけて、質の高い透析医療を提供していきたい。ただ最後に付け加えなければならない大切な事ですが、その目的の実現にはにはスタッフの協力、業者の協力はもちろんのことですが、その事以上に大切なこと、それは主役である患者さんの協力です。せっかく調べて、必要透析量を評価しても、透析条件を検討して変更し、シャント管理をしっかりして十二分な血流量の確保が維持し良質な透析液、良くメンテナンスされ透析機や性能の良い透析膜を使用しても最終的に透析時間の壁だけは、どうしても越えられない限界があります。
 この点だけは必要な透析時間の確保を患者さんには強く御願いし協力してもらわなければなりません。当院で透析を受けられる患者さんは、精一杯質の高い透析を提供して行こうと思うので、是非ご協力をお願いたします。

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